支払いは難しいけれど、住み続けたい
相談者について
- 年齢
- 53歳
- 家族構成
- 妻・両親・次女
- 住宅ローン残高
- 1,400万円
- 毎月の住宅ローンの返済額
- 11万円
※年間の固定資産税含む

相談時の状況
30代で新築一戸建てを購入したYさん。同じ会社でコツコツ働いてきましたが、40代の時点で勤め先の業績悪化により給料が減り、ボーナスがカットされました。一時は転職も考えましたが、かえって収入が減るケースも多いと聞き断念。借入先である銀行へ住宅ローンの返済見直しをしてもらいましたが、教育費や親の介護などが重なり、消費者金融やクレジットカードのキャッシングでお金を借り、家計のやりくりをしていたと言います。しかし、そうするうちに住宅ローン以外の借金が450万円に。ローン分と合わせると月々の返済額は20万円にまでふくれあがっていました。こうなってしまっては返せる額ではありません。4回滞納してほどなく、銀行から催告書が届きました。
「残りのローンを一括で返済せよ」と。
相談内容
返済ができない、でも家は手放したくない
Yさんには年老いた両親と大学生受験をむかえる次女がいたため、「家を残したい」住み続けたいという強い希望がありました。それを阻んでいるのは、本人も自覚している通り返済がままならないことです。
振り返ってみれば、消費者金融などへの返済が発生する前から収入減によって家計は赤字状態。子育て期間を終えて奥さんが復職すれば改善するだろう、その間にはYさんの会社の業績も回復するかもしれない。そう考えて持ちこたえてきたものの、返済を滞納するようになってようやく消費者金融分の借金450万円という数字が恐ろしくなったと言います。今の状況を改善して、家に住み続ける方法があるのかを知りたい、それがYさんの相談でした。

佐川の提案
過払い請求と売却で住み続けられるように
家計簿の見直しや生命保険解約では追いつかないほど返済額が増えてしまったYさん。「家に住み続けたい」という希望を叶えるには、親族の援助・過払い請求・リースバックのいずれか、あるいは複数案を組み合わせる必要がありました。
まずは親族の援助と過払い請求によってローンと借金の元金を減らすことを検討。もしこの段階でYさん夫妻の収入で返済継続できそうなところに落ち着けばよし。
家の所有権は無くしても住み続けられたらよいと言うならいっそ自宅を投資家に買い取ってもらい、家賃支払いだけで暮らせるようにするのも一つです。そうすればより家計に余裕が出るという提案も行いました。リースバックと呼ばれるこの手法は複数の条件を満たさなければ実現不可能ですが、Yさんについては検討の余地が十分にあったのです。


過払い請求で消費者金融の借金ゼロ
リースバック成功で家賃だけで住み続けることに
妻側の両親に助けを求めましょうと提案。これを Y さん夫妻は「高齢の親に聞くだけムダだし、恥ずかしい」と拒みました。気まずいのは分かります。けれども次女が大学に行けるかどうかの瀬戸際です。子どもの未来についてじっくり話し合い、やはり相談しようと合意。
銀行から催告書が届いている状況なので、ノンビリしてはいられません。Yさん妻の両親からの支援は、複数借金の元金に対して十分とは言えませんでした。そこで顧問弁護士に過払い請求を相談。過払い分を差し引いても借金が残った場合は個人信用情報機関に事故歴が残ります。こうなると次女の大学入学金の借入ができないなどの不都合が生じます。こうしたリスクを伝えた上で試算すると、Yさんのケースは過払いの借入額の減額と、足りない分は妻の両親の援助金で住宅ローン以外の借金がゼロになると判明、すぐに手続きに入りました。
また、自宅に住み続けるためには、できる限り安い賃料での条件で自宅を買受けてくれる大家業の方探し。
これら複数案を同時並行で進め、Yさんは無事に家賃8万円で今の暮らしを維持できることになりました。
相談者のその後

昨今、売却してもそのまま自宅に住み続けられる、「リースバック」を宣伝している業者が多くいます。ローン支払いができない人でも、さも簡単にリースバックができるといった表現をしていますが、じつは、ここ数年、リースバックを扱う業者の悪徳トラブル事例が多発しています。売れる価格よりもローンの残りのほうが多い、いわゆるオーバーローンの場合、リースバック成立は難しいと思ったほうが良いです。成立が難しい理由は、売価と家賃の折り合いがつきにくい点にあります。不動産を投資家に購入してもらう場合、その売価は市場価格よりはるかに低い玄人市場価格で設定されます。つまり市場価格では 2,000万円なのに 1,000万円にしかならない、ということ。それでも現金が手に入ればと考える方もいらっしゃいますが、当人はよくても「そんな安値で売るなんて」とローンの借入先である銀行が許可を出さず、話が止まる事例がほとんどです。さらに銀行と交渉して売却が成立しても、住み続けられるかは別問題。投資家との間で家賃の合意が取れなければ、結局家を出る以外の選択肢はありません。
「インターネットで『家を売ってお金をつくり、売却後も住み続けられる』という広告をよく見ていたので、『Yさんの場合、検討の余地はありますが、基本的にリースバックは難しい方法です』という佐川さんの言葉をはじめは素直に聞いていませんでした。投資家さんとの交渉を見て、あのとき言っていたのはこういうことかと理解できたくらいです。幸いローン残高で買いとってもらえて、家賃も8万円でよいというお話しに。これなら十分に住み続けられます。それどころか子どもの結婚費用を積み立てられる余裕も出て、一気に視界が開けた思いです」
関連事例
-
case No.4
いよいよローンを支払う余裕がなくなった
年齢 36歳 家族構成 妻・長男・長女
- 住宅ローン残高
- 3,700万円
- 毎月の住宅ローンの返済額
- 15万円
※年間の固定資産税含む
10年ほどコツコツと住宅ローンを返済してきたA夫婦ですが、コロナの影響によって夫の残業代は無くなり、妻のパート収入も激減しました。学資保険や生命保険の解約をし、家計を切り詰め、住宅ローン返済をまかなっ… -
case No.5
会社の負債で自宅にも差し押さえが
年齢 63歳 家族構成 妻・長女
- 住宅ローン残高
- 3,800万円
- 毎月の住宅ローンの返済額
- 18万円
※年間の固定資産税含む
Tさんは親の代から引き継いだ染色会社を経営していました。引き継いだ当初は景気もよく、年商6億円というときもありました。銀行も社屋を新しく建て替えるお金を都合するので、借りてほしいと懇願するほど。そうし…